CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 
と、尋ねても、それには応えず、


『それでは、私はちょっと失礼しますわね。
今日は、娘の誕生日に来てくれてありがとうと言っておくわ。
でもね、うちの娘との交際を認めた覚えは有りませんから、用が済んだら、早々にお引き取りを。
それでは、失礼。』

って

エ~エ~エ~エ ?!?!

なんか俺、怒らす様な事を言ったっけ!?


伯父様は、いつも快く接してくれるのに、お袋さん、初めて会ったとはいえ、何なんだ!?

と、突然ソナが


『オンマ~~!
(ママ~~!)
どうして、そんな事言うのよ。』


「あなたには、もっとふさわしい人を見つけてあげるから別れなさい。」


『酷いよ~!
さっきまで礼儀正しい子だって誉めてたじゃない!』


「兎に角、私は認めません。」


『もう、オンマどうして……』


と言ってる最中に、お袋さんは自分の寝室に入って行ってしまった。


もう何がなんだかさっぱり分からない。


メチャクチャ険しい目付きで俺を睨んで、奥の部屋に消えちゃったよ!


「伯父様、俺、何かヘマやりましたか?」


『いゃ~、儂にもさっぱり分からない。
気に障る事、言った訳でもなく、アイツがあんな風に、人前で不機嫌になるとこ、儂も初めて見たよ。』


「俺、ソナちゃんとの事は真面目なお付き合いさせていただいてます。

髪の毛、こんなんですが、勉強も毎日の生活もきちんとやってるし、それでも伯母様の気にいらないところが有ればちゃんと直します。

伯父様、どうか助けて下さい。」

『兎に角、儂も今は理由が分からないから、良く話してみるよ。

今日は、一旦お帰り。』



俺は、伯父様に一礼を行ってから、ソナに


「また後で連絡するね。
はい、これ誕生日プレゼント!」


『うん……

ありがとう。

今日は、ごめんね!
オンマ(ママ)はああ言ってたけど……私はチャンスオッパの事、大好きだから。』

「ありがとう。じゃあね!」


『バイバイ...。』


俺は、訳分かんないまま、赤羽岩淵駅に向かって歩き出した。


兎に角、しばらくは伯父様に任せて連絡待ってみよう。




…………




 
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