CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
食事デートから帰って来たら、オモニ(母さん)が晩御飯の準備をしていた。
「ただいま!」
『お帰り。
今日、魚屋さんに寄ったら、手長タコの良いのが入ってたから、今晩はナクチチゲにしようね!』
「……」
『どうしたの?
食欲が無いの!?』
「今日、彼女と一緒にオムニ食堂行ってきて、死ぬほど食べてきちゃった。」
『まぁ、そうなの…
じゃあ、お腹空いたら食べてね。ちゃんと残しておいてあげるから。』
「ごめんねオモニ。折角のナクチチゲ。
ちゃんと後で食べるから。」
『気にしなくて良いのよ。
それより、明後日から大学でしょ!?
ちゃんと準備をしておきなさいよ!』
「は~い。」
俺は、2階の自分の部屋に入ると、ベッドに寝っ転がった。
……
今何時だ?
外は真っ暗だし…
ベッド横のサイドテーブルの上にあるデジタル置時計は
AM.03:33
夜中に目が覚めた俺は、喉が渇いたので1階に降りた。
冷蔵庫を開けると、トッペギの中に、ナクチチゲがラップをかけられて仕舞われてあった。
腹減ったから食うか。
レンジで温め直して遅い晩飯だ!
やっぱオモニ(母さん)のチゲは美味いなぁーなんて考えながら、
ソナのお袋さんから交際を許可して貰える、何か良い方法は無いかと思案したが、結局何も思い付かずに終わった。
明日から大学かぁ…
なんてことも考えながら、独り寂しい食事が終わった。
…………