CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
皆が作って来た曲って、一体どんな感じなんだろう?
良い曲書いてたら、良いんだけどなぁ。
そしたら、ベストアルバムが出せて、皆にも印税が入って、そしたらもっと頑張って良い演奏出来て、XYZ全体のスキルアップにもなるだろうなぁ。
おっと、KYUに来て貰わないと!
「ヨボセヨ?(モシモシ)」
『KYU!?
チャンスだけど!』
「ヒョン(アニキ)、どうしたんですか!?」
『今何処に居るの?』
「今日はオフですから、桧山マネージャーと一緒に、Spot Lightでゴハン食べてます。」
『ちょうど良かった。
実はさ‥‥‥‥。』
俺は、皆が曲作って来た事、これから本郷スタジオで演奏する事等を簡単に話した。
「僕も今すぐ行きます。
せっかくのオフなんですが、する事も無いし、ハヌルちゃんは学校で会えないし……。
それに、僕も皆が作った曲を聴きたいし、歌いたいです。」
『わかった。
俺は、ギターを取りにマンションに一旦帰ってるんだ。
ケントとジョージが、もうすぐスタジオに着くと思うよ。』
「分かりました、ヒョン。」
電話を切ってから、俺はエレベーターに乗り込んだ。
ゴハン食べてるって、俺は知ってるんだ。
KYUは、時間があれば、Spot Lightに来て、様子を伺ってくれていることを。
タレントのタマゴ達にも、色々教えてあげてるし……。
なかなかかわいいところ有るじゃん!
俺の店としてだけじゃなくて、これからデビューしていく、彼等の心配もしてくれてる。
なんて考えながら歩いていたら、スタジオに着いた。
『おはようございます、本堂さん。
もう皆来てますか?』
「やぁチャンス君。
皆来て上に上がったよ!
今日は、ルーム4-Hに入ってるよ。」
『またずいぶんと広い部屋に入ったんですね。
ルーム2-Aでも充分なのに。』
「聞いて驚くなよ!
今は、ルーム4-Hしか空いてないんだよ。
って言うか、最近はお前達のおかげで、毎日満室状態なんだよ。」
『ホントですか!?』
「あぁ、勿論ホントだよ!
特にピアノが置いてあるルームと、お前達が良く使ってた2-Aは、一番に埋まるよ。
よっぽど、森本君のピアノが気に入ったのか、皆《約束》のピアノバージョンを練習してるよ。」