CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
2.Ballade
夕方過ぎになって、一旦休憩する事に。
エレベーターに乗って、1階のSpot Light-1号店に向かった。
「石田店長、落ち着きましたか!?」
『えぇ、ちょっと前にショータイムが終わって、一息ついているところです。
今日は、収録があるんですか!?』
「いやぁ、皆がそれぞれ曲を書いて来たんで、次の新曲の為に練習してるんですよ!」
『頑張ってますね。
こっちのアーティストのタマゴ達も頑張ってますよ。
皆で曲作りして、ショーを盛り上げてくれてます。』
「そうですか!
ところで、お腹すいたので、何か食わして下さいよ!」
『それでは、こちらへどうぞ。』
俺達は、メニューを見ながら、適当に注文していった。
俺は石田店長に、
「店長、今日のお勧めは何ですか?」
『今日は、シーフードの良いのが入ったから、海鮮スンデゥブ・チゲが美味しいですよ!
後は、プルコギを生野菜と混ぜ合わせた、プルコギサラダが好評でしたから、召し上がってみますか。
隠し味に、無塩バターを使ってプルコギを調理した、新メニューなんです。』
「それじゃあ、両方下さい。
それと大ライスも。」
食事をしながら、
『テジュンの書いてきた曲って、どんな感じなんだ?』
「バラードを書いてきたんだ。
今まで、俺達って失恋ソングを歌った事無いだろう。
だから、失恋ソングを書いてみた。」
『失恋ソングか!
KYUの歌声ってさぁ、悲しい感じの曲も合いそうだな!』
「だろう!?
俺も、そう思って書いたんだ。」
『歌詞の内容は?』
「些細な事から、彼女との間に隙間が出来てしまうんだ。
それが、いつの間にか大きな亀裂になって、彼女の心が離れて仕舞うんだ。
そして、破局!
しかし、男は二人の仲を修復しようと努力し始める。
その時には、彼女には新しい恋が芽生えていて、男はこの恋を手放すんだ。
そして、最後は彼女の新しい恋を応援するって言う感じの曲なんだ。」
『これってさぁ、テジュンの実体験じゃないのかにゃ!?』
「どうして!?
違うよ。」
『そうかぁ!?
なんか、話をしている時の、テジュンの顔が暗くなっていくから、てっきり実体験を元に作ったんだって思ったじょ!』
「まさかぁ…。
ハハハ……。」