CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「それで、何てタイトルなんだ?」
『最初は、(別れても好きな人)ってタイトルにしようと思ったけど、いくらなんでも、ふざけ過ぎと反省して、一応仮のタイトルが
《For Your Love》
って付けてみたんだけど、どうかな!?』
「分かりやすくて良いんじゃないか!」
『じゃあ、飯食って終わったら、今度はテジュンの書いてきた曲をやろうぜ。
でも、バラードかぁ。
バラードのドラムって難しいんだよなぁ。
ドラムブラシ持って来て良かった。』
「さてと、デザートでも食うか?」
『食べるじょ~!』
「この時期は、桜の花餅が美味いんだけど、食べてみるか?」
『懐かしいなぁ。』
「テジュンのお袋さんは、花餅って作ってくれた!?」
『うちは、韓日物産だぜ!
わざわざ作らなくても、お袋が韓国から帰って来るときに、持って帰って来るから。』
「だよな!
ソナに会いに赤羽まで行ったら、良く韓国のジュース出してくれるけど、ほとんど韓国からの缶ジュースだもんな!
飲みたい時や食べたい時に、すぐにって言うのは、助かるよなぁ。
まぁ、だからこそテジュンの親父さんも、あそこまで会社を大きく出来たんだろうな!」
『さてと、ホントにそろそろ行くよ~ん!
話してたら、きりがないじょ~!』
「おっと、もうそろそろ、ここも忙しくなるから出よう。」
俺達は、会計を済ませて4階に上がった。
テジュンの書いてきた楽譜を、ジョージがキーボードで演奏する。
先程と同様に、俺はギターで伴奏を入れていき、それを聴いたテジュンが、それをベースで演奏する。
今回ケントは、スティックとドラムブラシの両方を駆使して、俺達の演奏にリズムを刻んでいった。
ドラムが入って、2回ほど繰り返し演奏した後に、KYUのボーカルが歌詞をのせていった。
そして、3時間ほどぶっ続けで練習してから、コーヒーブレイクだ!
スタジオの外の通路にある、ベンチシートに座って、ジョージがジョージアの缶コーヒーを、自動販売機で5本買ってきた。
『飲んでくれろ!
おいらの驕りだじょ!
休憩したら、今度はおいらの作った曲を聴いて欲しいんだよ~ん!』
「ジョージが作った曲は、どんな感じなんだ?」
『なんと、おいらも初挑戦の歌謡曲、J-POPなんだじょ!』