CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
4月下旬、有楽町スタジオの1階にSpot Light-3号店もオープンした。
店長もスタッフも忙しく働いていた。
俺達はと言うと、支社長に呼ばれて事務所に出向いた。
5月中旬には、ファーストアルバムを作りたいから、12曲用意しておけとの御通達が……。
《約束ピアノバージョン》
《MY LOVE》
《Sacrificed》
の3曲を入れるとの事だから、残りの9曲がそれまでに仕上がってないといけない。
なんで、いつも新星MUSICはギリギリなんだよ~!
ホントにPCの作曲ソフトのミュージロウで曲を作ってしまうぞ!
とりあえず、皆で作戦会議を開かないといけない。
現在、新星MUSIC日本支社の俺専用の部屋に全員集まって‥‥‥‥
コーヒー飲んでます…。
だって、曲を作るのは、そんなに簡単じゃ無いんだよ~!
「誰か、せめて曲を書くためのキーワードでもくれよ~!」
『愛や恋を題材にしたのは、もういっぱいあるし‥‥‥‥。』
「とりあえず、俺が2曲作って来たのがあって、あとはそれぞれ1曲ずつ書いてきたから6曲有るだろ!
後は残りの3曲をどうするかだ!
こうなったら、全部バラバラでいくか?」
『バラバラでって?』
「俺がヒップホップとブルースだろ。
テジュンがバラード、ケントがハードロックで、KYUはソウルミュージック、ジョージがJ-POPだから、残りの3曲も違うジャンルの曲って言うのはどうよ!?」
『と言うと、後はパンクミュージックとヘビーメタル、それにゴスペルなんてのはどうかにゃ!?』
「ゴスペル!?
やったこと無いじゃん!
それにバンドだから、ゴスペルは却下!
パンクミュージックとヘビーメタルは良いな!」
『最後は、ハングルソングは!?
KYUは、韓国人なんだから、1曲は入れるとアルバムの雰囲気も趣きが出ると思うぜ。』
「そうだな!
そして、アルバムのコンセプトはズバリ、バラエティーにとんだ音楽!って言う事にしたら不自然じゃ無くなるしな。」
『後は、歌詞の方なんだけど、何かコンセプト持たせて、3曲を作ってみる!?』
「KYUをうたにしてみる?」
『KYUを題材にするって事?
面白そうだにゃ!
具体的には、どんな感じにするの~!?』