CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 




今日は、


5月5日の水曜日、ゴールデンウィーク最終日だ!


せっかく事務所から貰った3連休も、殆どアルバム制作作業に費やしていた。


昨日の朝、ソナから電話があって、


《このゴールデンウィークは、結局何処にも連れて行ってくれなかったね!

今日もダメなの!?

もう半月以上、会って無いんだよ!》


って泣き付かれて仕舞った。


出来る事なら、今すぐ会って抱きしめたいさ!


アルバムが完成したら、発売日迄には何日間か休めそうだから、その時にはワガママを何でも聞いてあげるつもりだ。


俺は、その日の夜7時頃にようやく作曲が完成した。


ジョージに電話すると、彼も出来上がっていると言うので、お互いに詞と曲をフォルダに入れて、データを暗号化してロックしてメールに添付して送った。


ジョージから届いた詞と、俺の曲を一緒に一つのフォルダに入れて、ケントとテジュンにも同じ様にして送っておいた。


KYUは、パソコンを持っていないので、同居している桧山マネージャーのパソコンに送っておいた。


そして、桧山マネージャーの携帯の方にメールを送った。



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title:お疲れ様です

本文:

チャンスです。

桧山さんのパソコンに、新曲の歌詞と譜面を送っておいたのでKYUにプリントアウトして渡しといて下さい。


高 長寿

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フォルダの暗号化解除方法とロックの暗証番号も一緒に送っておいた。



翌日、目が覚めたらケントとテジュンからそれぞれ曲と詞が届いていた。



とりあえず、シャキッとした頭で見てみたかったので、シャワーを浴びてから再びパソコンを立ち上げた。


すると更に、KYUからも曲が完成したと、桧山マネージャーのパソコンから送られていた。


KYUが作った曲をギターで弾いてみた。


今流行りのK-POP調の曲だった。


テンポも少し早めで、なかなかノリの良い曲である。


主旋律しか無いので、これから肉付けしていったら、楽しい曲になりそうだ!


タイトルは


《チングエゲ チュルソンムル》

邦題は

《友への贈り物》


この歌詞を読んでわかった。


これは、KYUが韓国で組んでいたバンド仲間に捧げた曲である。


なかなか味な真似をするなぁ。




 
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