CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
今度は、ケントとテジュンから送られていた歌詞と曲を見てみた。
タイトルは……、
《風の行方》
俺達を風に例えて、
KYUとの出会いから
今まで一緒にやって来た
バンドカーニバル
サマーライブ
デビュー前の野外ステージ
そして、KYUのデビューライブ
それらを、全く違う言葉を用いて、巧く表現出来ていた。
曲調は、Green DayのBasket caseに良く似た感じの、メチャクチャノリの良い曲だった。
ジョージが送って来た歌詞は、まさにフォークソングって言う感じの歌詞だった。
暗いイメージではなく、必死に生きているって言うのを表現した歌詞だ!
タイトルは……、
《スポット ライト》
って!
俺の店の名前じゃん。
カタカナにしただけだし…。
でも、確かにタイトルと歌詞の内容は一致しているんだよなぁ。
俺の作った曲は、マイナーコードを巧く使って、フォークソングっぽい曲に仕上げていった。
Am→C→Dm→G
F→C7→Bm→C
って具合に使って、それをハイポジションではなく、パワーコードを使って
BPM=120
で演奏するようにした。
はっきり言って、かなりの速さだ。
一通り目を通して済んだ俺は、朝食を取ることにした。
インスタントの《辛ラーメン》を作って、ラーメン・ライスを食った。
丁度、食べ終わった頃にテジュンから、昼の12時から本郷スタジオに集合しようぜって連絡が入った。
全員に連絡したそうで、皆張り切ってるそうだ!
壁の時計を見てみると、まだ9時を少し回ったところである。
まだ3時間有るので、テジュンとKYUが作った曲をギターで練習して過ごした。
15分前にマンションを後にして本郷スタジオに向かった。
カウンターの中で本堂さんがシン(天道新)と、営業準備をしていた。
「おはようございます。」
『よぅ、チャンス。
もう皆来ているぞ。』
「皆、張り切ってるなぁ!」
『こっちは、まだ営業前だっちゅうの。』
「本堂さん、無い胸寄せられても…。」
『‥‥‥‥。』
「シン、最近どうしてるの!?」
『毎日、本堂さんにしごかれてるから。』
「頑張ってるな。」
『いずれは、本堂さんのポジション頂くつもりだから。』