CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『毎日、ボイストレーニングやってました。
早く一人前になって、皆の迷惑にならないように頑張っていきます。』
「何が迷惑だよ!?
KYUは、充分俺達とやってるよ。
KYUの歌唱力は、いまやトップまで来ているんだよ。
後は、自信を持って頑張って行けば良いんだよ。」
『頑張っていきます。
でも、今日はもうギブアップです。
お腹がすいて、元気が出ませんです。』
「飯食って寝るか!
コンビニ寄って帰ろうぜ!?」
『おいらも腹ペコだよ~ん!』
「今日はもう作るの面倒だから、弁当で良いや!」
『ついでに明日の朝飯のパンと飲み物買って帰ろうな!
後は……、玉子とスライスハムでいっかな!』
「ケント、何か主婦みたいだな!
独り言言いながら買い物してると!」
『クセなんだよな。
頭ん中でメニュー考えながら買い物していたら、知らん間に声に出してたりするんだよなぁ!』
「ケント、疲れたから、明日の朝は甘めのフレンチトースト作ってくれないかにゃ!?」
『良いよ!』
とにかく、疲れきっていた俺達は、全員で俺のマンションで弁当食って、シャワーも浴びずに爆睡した。
翌朝は、ジョージのお願いをきいて、ケントがフレンチトーストを作っていた。
ジョージがその隣で、コーヒーを点てていた。
「おはよう!
テジュンとKYUは、まだ寝てんの?」
『チャンスが一番最後だじょ!
テジュンはシャワー浴びてるよ~ん!
KYUは、歯磨き中だじょ!』
「そっかぁ。
何か、あまりにも疲れてたから、なかなか寝付けられなくて、3時過ぎまでゴロゴロしてたよ。」
『俺達は、皆アッと言う間に寝てしまったぜ!』
「まだ頭がボ~ッとしてるよ。」
『チャンスヒョン(チャンスアニキ)アンニョヒ チョム サッソヨ!?(良く眠れましたか=オハヨウゴザイマス)』
「KYUおはよう!
まだ眠いよ!」
『もうすぐテジュンヒョンがシャワー終わりますから、次にシャワーしてきてください。』
『チャンス、はいこれ飲んで!
少しはシャキッとするよ~ん。』
と言って、点てたばかりのコーヒーを出してくれた。
カラカラに渇いた喉に、ブルマンの苦味が心地よく流れて、曇っていた頭も、少しはマシになった。