CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
2.Day Off
アルバムのレコーディングも、無事終了して、通常の俺達に戻った。
テジュンの右手の痺れは、さほど酷くなっていなかったので、病院でシップを貰っただけであった。
無理をしなければ時期に治ると言われ、まずは一安心だ。
後は、週に一度のラジオのレギュラーと、音楽や映画、漫画やドラマなど、何でも順位をつけて発表する、深夜のカウントダウンって番組の収録、ジャケットの撮影が終わり、気が付けば6月に入っていた。
今日から2週間も休みになっている。
今まで、なかなか休みが取れなかった俺達は、最近真面目に大学の講義も受けているし、彼女ともデートが出来ている。
そんなある日、韓国から国際電話が入った。
携帯の表示は通知不可能と言う文字が!
国際電話の場合は、この表示が出るので、直ぐに韓国からの電話だとわかった。
「ヨボセヨ(モシモシ)」
『アッ、チャンスか。
俺だけど。』
「アボジ(親父)、どうしたんですか?」
『XYZの活動、2週間の休みを貰ったって聞いたけど、本当かい?』
「レギュラーの番組が1本入っているけどね!」
『実は、新星MUSICの20周年記念のイベントが、本社であるんだけど、出席しないか!?』
「マジで!?
行く行く。
ハラボジにも会いたいし、ジソンヒョンニム(智盛兄貴)にも会いたい。」
『じゃあ、大至急来てな。
イベントは6月6日だからな。』
「6日って3日後じゃん!
アボジは、いつもギリギリで連絡してくるんだから!」
『まぁ、そういう事だからヨロシコ!』
「何がヨロシコだよ!
もうそんな事言ってる人、居ないよ!」
『アッ、それから、一応記念パーティーをやるから、黒のタキシード持って来いよ!』
「分かりました。」
『それじゃあ、こっちで会おう。』
「オモニ(お袋)は?」
『もう1週間前に連絡したから。
ヨンミちゃん(お袋の事)は、明日の便でこっちに来ることになっているから。』
「お袋には1週間前に連絡して、俺には3日前かよ。」
『たまたま、1週間前に、話の流れで来ることが決まったんだよ。
チャンスには……、言うの忘れていただけだよ。』
「忘れてたって…。
相変わらず、呑気なアボジだなぁ。」
『じゃあ、早くチケット予約しろよ。』