CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「分かりました。
出来る限りの事を遣ってみます。
それで、XYZの力は借りて良いんですか!?」
『それはチャンスの自由だよ!
自分の持っているブレインは、巧く使って、成功へと導くのが、この世界のやり方だからな!』
「グループ名は?」
『まだ決まってないよ!
彼女達のグループ名も、お前が考えておいてくれ。
名前も売れる要素の1つだからな!
全てを、お前の発想と教育とセンスで、ヘアスタイルから衣装に至るまでの、トータルプロデュースでバックアップするんだよ。』
「なんか大変そうだなぁ。
それで、いつから始めますか!?」
『来月の7月5日に、もう一度お前一人で韓国に来てくれ。
その時に、正式な契約をして、それからスタートだ!』
「分かりました。
一応、期限とか有るんですか!?」
『1年以内に韓国で再デビューして、メディアの注目を集められたら、ひとまずOKだよ!
今度は、本社の音楽プロデューサーと交代だ。』
「1年以内ですかぁ。
余り時間が無いですね。」
『その代わり、彼女達には実力が有るんだから。
XYZだって、1年も経たない間に有名になったじゃないか。
まぁ、沢山お金使ったけど。』
「今回、彼女達のプロデュースにかけられる予算って有るんですか!?」
『会社からは5千万円出そう。
足らなかったら、後は自分のポケットマネーからでも出してやってくれ。
限られた予算の範囲内でやるのも、経営者としては必要な資質だからな!』
5千万円かぁ…。
って事は、無駄使い出来ないなぁ。
とりあえず、日本支社の経理を一人確保して、マネージャーもいるし…。
専属のヘアメイクと衣装さん、後は……。
あぁ……!
なんか頭が痛くなってきたよ…。
自分の部屋に戻って、さっきアボジの言ってた事を考えていたら、いつの間にか寝てしまってた。
朝、目が覚めたら、ソラ(俺の妹)とオモニ(お袋)が、荷造りを済ませて、帰国の準備をしている。
「オモニ、今日帰るんですか!?」
『あら、チャンスお早うさん!
ソラをいつまでも学校休ます訳にいかないからねぇ。
あの人は、7月末まで韓国にいるそうよ。
あんたはいつまで居るの?』
「ソナが10日にお袋さんと帰るんで、その時に一緒に帰ります。」