CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『そうなの。まぁ、ゆっくりソナちゃんと楽しんでおいで。』
「オモニもソラも、気を付けて帰ってな!
空港まで送ろうか?」
『良いのよ。
旦那が送ってくれるから。
あんたは、早く朝ごはん食べて、ソナちゃん迎えに行きなさい。』
「ハ~イ。」
『お兄ちゃん、ユーオッパ(KYUの事)の事、アッパ(パパ)に話してくれた?』
「イヤ、まだだよ。
その内、KYUが自分の口で、ちゃんとアボジ(親父)に話すって言ってたから。
俺は、その後の援護射撃をするだけ。
KYUにもタイミングって必要だからな!
今、俺が先走って話したら、巧く行く事も巧くいかなくなったりしたら困るだろう!?」
『だよね!
分かった。
日本に帰ってからユーオッパと話してみるね。』
「あぁ!
まぁ、でも正式に付き合いだしても、ちゃんと避妊しろよ!」
『ナ…何を言ってるのよ!
お兄ちゃんのバカ!
ヘンタイ!』
「何、赤くなってんだよ!?
ソラも、まだまだ子供だなぁ!」
『お兄ちゃんなんか、もう知らない!』
『チャンス、妹からかって遊ばないの!
ソラは、パパが目に入れても痛くない程可愛がってるんだから、なかなか切り出せないのは仕方ないんだから。』
「ソラ、アボジの秘密を教えてやろうか?
その秘密があれば、KYUとの交際も認めてくれるかもよ?」
『ホント!?
でも、良いや。
そんなのフェアじゃ無いから。』
『チャンス、あの人の秘密って!?』
「ェ…!
イヤッ!
なんも無いよ。
ただ言ってみただけだよ。」
『ホントの事言いなさい。
どんな秘密持っているのよ。
妻の私にも言えない事をやってるの!?
それなら離婚よ!』
「オモニ、考えすぎだから!
ちょっとソラをからかってみただけなんだから。
アボジの秘密なんか知らないし!
って言うか、アボジがオモニに隠し事するわけ無いのを一番良く知っているくせに。」
『そりゃまぁ、そうだけど…。
ホントのホントに、あの人は隠し事してないのね!』
「アボジに関しては、オモニ溺愛なんだから、心配無いよ。」
『そうよねぇ。
チャンスが変な事言うから、いけないのよ。』
あぁ・・・!ビビった!
オモニ、離婚とか言い出すし!
あの事は内緒にしとこう。