CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
その後、南大門(ナムデムン)に行ったり、梨泰院(イテウォン)に行き、買い物を楽しんだ。
夜7時が近づいてきたので、食事でもしょうと、
「ソナ、そろそろ晩御飯にするかい!?
だいぶお腹すいてきただろう!?」
『うん!
もうペコペコ!
何食べる?』
「一応予約してるんだよ!」
『何のお店なの?』
「中華料理のお店だよ。
なかなか美味しいと評判なんだって!
そこは、広東料理のお店なんだ。」
『広東料理!
メチャクチャ久しぶりだよ。
オッパ大好き!
楽しみ~!』
「じゃあ、タクシー乗ろうか!」
『そのお店って遠いの?』
「そうでもないよ。
俺のアボジの実家から直ぐに在るんだ。」
『アッ!タクシー来たよ。』
俺は、手を挙げてタクシーを停めた。
そして、乗り込んだら運転手に
「ロッテワールドホテル カジ プッタカムニダ。(ロッテワールドホテルまでお願いします。)」
と言って、ソナに
「何て言ったかわかった?」
『それくらいのハングル語なら分かるよ。
ロッテワールドホテルまでお願いしますって、言ったんでしょう!?』
「ソナも、ちゃんとハングル語の勉強しているんだな。」
『そりゃそうよ!
チャンスオッパのお嫁さんに成るなら、ハングル語くらい喋れないと、本社主催のパーティーなんかに行ったりしても、オッパに恥掻かす事になっちゃうもん。』
なんか頼もしいなぁ。
日本語は勿論だけど、英語がペラペラなソナが、ハングル語までペラペラに成ったら、最高のパートナーになるかも。
頭も良いし音楽センスも有るから、新星MUSICは、いずれはソナが切り盛りしてくれたら、俺もかなり楽になるかも。
なんて事を考えていたら、タクシーはロッテワールドホテルのエントランスに入って行った。
お金を払って、タクシーから降りると、ドアボーイらしき人が立っていた。
『ようこそロッテワールドへ!
どうぞこちらへ。』
と言って、買い物した荷物を預かってくれて、フロントで預り証を持って来た。
それを受け取ってから、チップを渡そうとしたら、
結構で御座います!
と言って、受け取らなかった。
なかなかきちんと教育が行き届いている。
お礼を言って、レストランに入って行った。