CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
2. Reminiscences
父
高 賢主
コ ヒョンジュ
通称名 高山 賢治
タカヤマ ケンジ
職業:ミュージシャン
が20才の時に、18才で高校を卒業したての
母
成 英美
ソン ヨンミ
通称名 成田 英美
ナリタ ヒデミ
職業:実家の韓国家庭料理店勤務
と知り合って
お袋が20才の時に俺が生まれたんだ。
俺の名前は、親父方の孝愃(ヒョソン)じいちゃんが付けてくれたんだ。
ハラボジ(お祖父さん)は、占い師なんだけど、俺からしてみれば胡散臭いじいちゃんだ!
両親と一緒に、何回か韓国に行って、会った事が有るけど、いつもいい加減な事ばっかり言ってる。
『昨日は、金のカエルがチャンスの枕元で鳴く夢を見たから、今日は何か良い事があるぞ!』
とか
『昨日は、道を歩いていたら、白い蛇が目の前を横切ったから、突然の事故が起きても、ワシは助かるんじゃ!』
なんじゃそりゃ?
良い事が起きるって、それはじいちゃんが小遣いをくれて、
『どうじゃ、良い事が有ったじゃろ!』
なんて言うんだから
それはじいちゃんのサジ加減一つだろ!
って、声を大にして言いたい。
そんな、変わったじいちゃんから、俺が生まれる前日に、手紙が届いたんだって。
手紙には、
『賢主、英美さんや、明日の朝7時ちょうどに、二人の間に息子が誕生するじゃろ。
その子は、聡明で優しい子に育ってくれるはずじゃ。
そして長生きをして、高家の子孫繁栄に繋がるはずじゃ。
明日生まれて来る子に長寿(チャンス)と名付けなさい。
高句麗の19代国王の広開土王の息子と同じくらい長生きするじゃろう。
孝愃より』
…………
・ ・ ・ ・ ・?
訳わかんない~!
しかし、その手紙通りに俺は生まれた。
1990年 7月7日
a.m.7:00ちょうど
七夕の朝だった。
…………