CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「作曲もやるんだぜ。
自慢してる訳じゃなく、今でもやってるんだ。
書き貯めた曲は100曲以上有るから。」
『凄いなぁー。
チャンス、俺等のバンドにもオリジナル曲頼むわ!?』
「良いよ!
お袋さんが、交際をOKしてくれたら。」
『お前は、そればっかりだな。』
「まぁ、言ってみただけだよ!
まぁ、2~3日有れば出来ると思うよ。」
『じゃあ、ジャンルが決まったら連絡するから、よろしく頼む。』
「了解!
じゃあ、今日は時間が許す限りユー君の練習に付き合ってくれよな!?」
『時間延長しても良いよ~ん!』
「じゃあ、韓国語で歌うポップミュージックがあるんだけど……良いかなぁ!?」
3人『やろうぜ!』
「じゃあユー君、
ハングルノーレ(韓国の歌)
ノ パッケ アン ポヨ(あなたしか見えない)も練習するよ。」
『ハ~イ!』
ミドルテンポだが、訴えるように歌うこの曲は、音域も広いし、サビのところでファルセットしなきゃあいけない。
ハン先生、やり過ぎですよ~~!
ユー君、声変わりしたばかりなのに…メチャクチャ可哀想だよ。
ギターは、リフは少ないけど……スケール有りすぎ。
もっと軽いノリでアレンジしてくれたら良いのにぃ……
しばらく練習してから、皆のメロディーがハジケてきだしたので、一回通してやって見ることに...。
「じゃあ、一回通して!いくぜ!」
3人+ユー君
『オゥ!』
♪~~タシハンボン~
ポゴシッポソヨ~~
ネマウム~♪イジョボリゴ
~マニャゲ~タンシネ~ヌンムリ~ウルチマラ~ネガイジョボリゴ…
ノパッケアンポヨ~♪
『意味分かんないけど…最高だね~!』
「ユー君、声変わりしたのに、よくあんな高い音域までもっていけたね!?」
『去年、社長サンニ、メチャクチャ シゴカレマシタ。』
これで、4曲全て歌ってみたが、下手なスタジオミュージシャンよりレベル高いかも...
イッペン親父に聞いて貰おうかな!?
「ちょっと皆休憩室に行こうぜ。」
『そうだな。
ちょっと一息入れようか。』
アンプの電源を落とし、カードキーを抜いて、俺達は1階へ降りた。
ユー君は、他のメンバーと楽しそうに会話している。
俺は、スタジオ主任の本堂さんに会うため、受付奥の部屋に入って行った。