CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


《鬼の本堂》


「1曲目に
MY LOVE

2曲目に
Get a chance get a rhythm

3曲目が
ノ パッケ アン ポヨ
ラストが
ナエ サラン

この順番で演奏していきますから。」

『OK!
じゃあ、皆1回リハいこうか。』

「わかりました。」

♪~~!♪♪~~!

『ストップ。ストップ。』

「どうですか?」

『どうですか?じゃあ無いだろ!
この曲のBPMは?』

「BPM=78ですが……」

『誰が決めた?』

「MR.ハン先生です。」

『韓国バージョンなら、それでも良いかなぁって思うよ。
でもな、日本語バージョンは、気持ちもう少し遅い方が良いぞ。
パクユの日本語は、上手いがまだまだ未完成だ。
日本人に聴いて貰おうと思うんだったら、言葉の発音をもっと丁寧に!
BPM=72でいけ!』

「勝手に変えて良いんですか!?」

『ここは日本だ。
CDを買うのもほとんどが日本人だ。
だったら、日本人が聴いて気持ち良いテンポで演奏しろ。』

「わかりました。」

『それから、チャンス!
ギターソロから始まる間奏のところだが、(E)音から始まる、Eナチュラルマイナースケールだよな!?』

「はい、そうです。」

『スケールを適当に演奏するなよ。トニックにきちんとアクセントを入れろ。

左のポジションの2オクターブ上のトニックは、特にきちんと譜面通りに演奏しなくっちゃ、曲のイメージをぶち壊しにしてしまうぞ。』

「はい。わかりました。もう一度お願いします。」

『OK!
最初から、もう一度やってみろ。』

その後も、一人一人

順番に

指摘され……


怒鳴られ……


4曲全ての録音が終わったのは、夜の11時を過ぎていた。


軽いノリでのレコーディングは、本堂さんのこだわりもあって、本いきになってしまった。


5人とも、クタクタになったが、なぜか楽しい充実した7時間であった。


「本堂さん、天道君、今日はありがとうございました。」

『オゥ、お疲れさん!
マスターは、俺が保管しておくとして、これ!
CD-ROM持って帰りな!』

「ありがとうございます。
それじゃあ、失礼します。」

『オゥ、気を付けて帰りな!』




…………




 
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