CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


今日は遅くなってしまったので、みんな俺のマンションに泊まる事になった。


『それにしても、広い部屋だねぇ~~!一人で住んでんの?』

「そうだよ。
3LDKで、月20万らしい。俺が払ってる訳じゃないからな。」

『学生が、マジで有り得ねぇ~~!』

「最初は、5LDK借りるなんてことを言ってたんだぜ。
親父は、無駄遣いし過ぎだよ、まったく。」


『床暖房も付いてるんだな。ハラボジ(じいさん)家のオンドル部屋を思い出すぜ。』

「だろ!
俺も気に入ってるんだ。」

『腹減った。何か食わして!?』


と言う訳で、皆で鍋料理をする事に…


飯食って、皆リビングで雑魚寝状態だが、床暖房のおかげで、皆ぐっすり寝ていた。





*********

《XYZ再び》


俺達のバンド名は、以前親父が組んでいたバンドの名前を付けた。

親父は、喜んで承諾してくれたので、ついでに、


「アボジ(親父)、前にアボジが出した
   《約束》
って言う曲があるだろ!?
あれさぁ、日本語バージョンの新しい歌詞付けて良いかな?」

『別に構わないぞ。
あれは、作詞も作曲も俺だから、自由にしろ。』


「カムサハムニダ(感謝します)

以前の歌詞は、パブリック的な要素を含んだ約束の歌だったけど、今度の歌詞は、一人の女性に向けての約束の歌に作り替えたいんだ!」

『そっかぁ。じゃあ、出来上がったら聴かせてくれよな。』


親父の許可も貰ったので、俺は早速歌詞を作った。


4人を俺のマンションに呼び、親父達が歌ったハングル語の約束を聴いて貰った。


そして、新しく作った約束の歌詞をコピーして渡した。


「どうかなぁ!?」

『凄く良いぜ。』

「今度のバンドカーニバルで、この曲をやろうと思うんだけど……」


『文句無しで~す。』

『僕、コノ曲聴イタ事有リマス。
チャンスノアボジノ曲デシタカ。』

「そうだよ。
この曲しかヒットしなかったけどな。」

と言う訳で、バンドカーニバルには、バラード調の

《約束》

と、先週2日で書き上げたメロコア調の

《Sacrificed》

で勝負する事になった。


このバンドカーニバルが終わったら、パクユのデビューが待っているので、彼のXYZでのラストステージになる。




…………




 
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