CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
ユー君って呼んであげて。
君達とタメだよ!
最後の、この黄色の頭がギターの高山寿生。
チャンスって呼んでるから、皆もチャンスって呼んであげてくれよな。
ユー君以外は、全員T大学の1年生なんだ。」
とケントが一人でペラペラ紹介するのを、皆でツッコミを入れながらも聞いていた。
今度は、彼女達がメンバー紹介を初めた。
『私達、明和女子の3年生です。』
「明和女子って言ったら、名門の進学校じゃん!
もうすでに、受験戦争真っ只中なのに、余裕あるねぇ~!」
『出来たらプロデビュー目指して頑張りたいから、ギリギリまでやろうと思ってたんです。』
「まぁ、大学入ってからでも遅くないさ。
やれるところまでがんばってみたら!?」
『そっかぁ。
これで終わりじゃ無いもんね...。』
「今のメンバーが、それぞれ違う大学に行っても、都内ならいつでも会えるし、
もし県外に進学する子がいるなら、仕方ないけど、
出来るところまであがいてみるのも、良いんじゃない!?」
『はい。がんばってみます。
遅くなりましたが、私がリーダーでボーカルの吉田光です。
ヒカルって呼んでくださいね。
こっちの茶髪の子が、キーボードの橋本恵美ちゃん。
エミっちって呼んでま~す。
髪の長い彼女が、ギタリストの上村美知子ちゃん。
ベタだけど、ミッチョンって呼んでます。
赤毛の彼女は、ベーシストの喜田喜恵ちゃん。
そのまんまヨシエって呼んでます。
最後に、一番背の高い彼女が、ドラムの田中愛子ちゃん。
アイチャンって呼んでます。』
と、ヒカルちゃんが全員のメンバー紹介をしてくれた。
もちろん、彼女達も負けじとツッコミを入れながら。
『ところでバンド名のXYZって、何か意味があるんですか?』
「実は、俺の親父が昔組んでいたバンドの名前を貰ったんた。
意味は、XYZってアルファベットの一番最後だろ!?
だから、もう後が無いって言う意味なんだよ。」
『そうなんですか!
私達のバンド名は、B5なんですが、BはバタフライのBなんです。
5人の蝶々。
花が似合う女のコなんてね…』
俺達「…………」
『沈黙は、やめて下さいよ~!』
「ハハハ、ナカナカ良いんじゃない。」
食事をしながら、楽しい会話に、いつの間にか2時間が経っていた。