CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 

(その間、まったく浮気もせず頑張った俺ってエライっしょ!?

でもさ、このシチュエーションだと、もう限界かも...)

「ごめんなソナ!

そろそろ帰らなくっちゃ。

じゃないと、俺も帰りたくなくなって仕舞いそうだ。」


『じゃあ、今度は、いつ会えるの?』


「バンドの練習もしばらくは無いから、週末の土曜日に遊びに行こう!」


『ホントに!?』


「あぁ、ダイジョブだ!

どこか行きたいところに連れて行ってあげるからね。」


『じゃあ、お台場に行きたい。』


「OK!
朝10時くらいに、迎えに来るから、オシャレして待ってな。」

『わかった。

やくそく……』


と言って、ソナからキスをしてきた。

柔らかいソナの唇が俺の唇と重なり、しばらくの間お互いに抱きしめ合った。


ソッと体を離して、

「じゃあ、そろそろ行くわ!」

と、言った後優しくソナの頭を撫でた。


『下まで見送りするね!』


と言って、1階のリビングへ降りていった。


リビングでは、ソナの親父さんがアグチムを酒の肴に焼酎をストレートでちびちびやっていた。


『おぉチャンス君、もう帰るのかね!?

泊まっていけば良いのに!』


「な゛何を言ってるんですか?

彼女はまだ15才の高校生なんですよ。」


『何を勘違いしているんだ!

誰が娘の部屋で寝ろって言った!?

ワシはただ単に、空いている部屋を使って貰おうと思ったまでだよ。』


そりゃそうだよな..。
いくらいずれは結婚なんて話をしていても、実際にはまだ15才なんだもんな。

ハハハ!自分で自分を笑いたくなるよ。
こりゃそうとうたまってるなぁ……

「それでは、今日のところは帰ります。

今週末にまた来ますので。

彼女が、お台場に行きたいって言うんでレインボーブリッジ渡って、ドライブがてらデートしてきます。」

『そっかぁ。
わかった。 じゃあ、気を付けて帰るんだよ。』

「それでは、失礼します。最後に礼を受け..」

と言ってる最中に,

『そんな堅苦しい事しなくて良いから。
それではワシはここで失礼しますよ。』
俺は深々と一礼してから、ソナと一緒に玄関に向かった。

『オッパ、気を付けてねぇ!』

「あぁ、じゃあまたな。」

と言って、車に乗り込んだ。

もう一度振り返り、手を振ってソナん家を後にした。
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