CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 
スタジオミュージシャン達が帰った後に、

『君達、うちの息子がいつも世話になっている。

君達が、新しいXYZのメンバーだね。
ちょっとアルバイトしないか!?』


「アルバイトですか?

何のアルバイトですか?」

『このパクユのメジャーデビューCDの演奏を君達に担当して貰いたいんだ。』


「俺達が?ですか?」

『そうだ。君達だ。』

「チャンス、お前のアボジ(親父)、本気で言ってるのか?」

「あぁ、多分本気だと思う。」

「僕チンは、良いよ~ん!」

「俺達が何処まで通用するのか知りたいから、俺も構わないぜ。」

「俺もやってみたいんだよな。
後はチャンス、お前次第だ!」

チャンスもニッコリ笑って、親父の方に向いて頷いた。


『よし!決まりだ。

それじゃあ、時間が無いから早速見せてくれないか。

お前等XYZの本当の実力を!』


と言う訳で、俺達は早速スタジオに入って音合わせをして、軽くウォーミングアップをした。

5分後…………

「親父、良いぜ。
この前、みっちり本堂さんにしごかれたから、ポイントはガッチリ掴んでるから。」

『じゃあ、まずは
 MY LOVEからいってみようか。』


「了解!
ドラム、BPM=72でスネア聴かせてくれ。」

『OK!』

と言いながら、デジタルメトロノームの速度を頭に入れ、軽くスネアを叩いた。

タンタンタンタン……

「よっしゃ!

皆、頭入ったな。

それじゃあ、いくぜ!
ユー君、緊張しなくて良いから。
いつもの練習を思い出して、思いっきり歌ってくれ!」

『ネェ!アラゲッスムニダ。(ハイ。分かりました。)』


「じゃあ、皆、弾けようぜ!」

4人『オゥ!』


♪♪~~!


『どうですか社長?ナカナカ良いでしょう。』

「確かに、実力はさっき帰った奴等より上だな。

パクユの歌も、彼等となら生き返ったようだ。

このまま、XYZと一緒にデビューなんてのも面白いんじゃないか?」

『私も、そう思います。』

♪♪~~!

『次、ハングルバージョンよろしく。』


「分かりました。

皆、今度は、
ナエ サラン
BPM=78ドラムよろしく。」

『OK!』

タンタンタンタン……

「OK!
ユー君、一番得意なこの曲を俺のアボジに聴かせてやってくれ!」
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