CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『ハイ。ナンカ、ノッテ キマシタ。』
「よし、良いぞ。
キーボード、イントロもっと強めに入ってくれ!
ベース、サビの部分のスラップはバッチリ入れてくれよ。
ドラム、AメロからBメロに入ったところから入ってくる、8タムとチャイナシンバルの部分は、もっとスムーズに!
じゃあ、皆、いくぜ! ナエ サラン。」
♪♪~♪♪~~!
『どうです社長?』
「日本語バージョンとハングルバージョンのテンポを変えたんだな。
本堂ちゃんの支持かい!?」
『はい。
なんか、聴いていて、その方が心地よく聴こえたもので。』
「流石、本堂ちゃんはセンス良いねぇ。」
『パクユの歌もその方が迫力あるんですよねぇ。』
♪♪♪♪~~!
「次、
Get a chance,get a rhythm 頼む。」
「ハイ。
サァ、ドラムの見せ場がやって来たぜ。
ユー君、ドラムのリズムをしっかり掴んで、体全体でリズムをとるような感じをイメージして歌ってくれ!
しかし、マイクから声を逃がすなよ。」
『ワカリマシタ。』
「キーボードは、メロディーラインをしっかりキープして、ベースはドラムの裏打ちの様にスラップを叩きこんでくれ。
じゃあ、いくぜ!」
ドンドンタンタ ドンドンタンタ……♪♪~~!
『社長、こいつ等の音楽センス、面白いでしょう。
ヒップホップからバラード、歌謡曲からヘヴィメタまで、こなしちゃうんです。』
「確かに、大したもんだ。
特に、あのキーボード。人間的には、俺にはちょっと着いていけない部分は有るけど、実力はかなりのもんだ。」
『何でも、小さい頃からピアノをやっていたそうです。
ハードロックを自分でクラシカルロックにアレンジして、高校の音楽祭で独奏したって言ってましたよ。』
「将来的に楽しみな人材だな。」
『ですね。』
「次に、
ノ パッケ アン ポヨ
聴かせてくれ!」
「皆、慣れない歌謡曲だけど、ユー君の為に練習しまくって、今じゃ俺達の曲になった様なもんだから大丈夫だよな?」
4人『オゥ!』
「じゃあ、もう何も言わねぇ。
楽しく行こうぜ!」
『ノ パッケ アン ポヨ!』
♪~♪~♪~!
『かなりのもんでしょう。』
「普通の歌謡曲には聴こえないくらい、レベルの高い演奏だし、パクユの歌もちゃんと引き立てている。」