CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
司会進行は、ミュージシャンであり、音楽プロデューサーのSEIJIさんとフリーアナウンサーの木村郁美ことイクチャンで、SEIJIさんの専門的な音楽の話から、イクチャンのボケまで、軽快なトークを交えながら進められた。
オープニングは、日本の実力派のバンド、EL・DRAGONと俺達XYZのメンバーでトッカータとフーガのロックバージョンで幕を開けた。
俺達の演奏に併せて出場者の紹介が行われ、最期にEL・DRAGONの後に俺達XYZも紹介してくれた。
メチャクチャうれしかよ~!
KYUの出番は4番目で、Seoul8のブレイクダンスの後で、彼等がダンスを踊っているステージ裏で、俺達は演奏の準備をした。
彼等のダンスが終わり暗転の後、ダークブルーのスクリーンが上がりながら、徐々にステージが明るくなっていった。
俺達は、アドリブでドラムソロからギター、ベース、キーボードの順番で音をかぶせていき、コードCからG、D7、Am、Cとメロディーをつなぎ、MY LOVEの曲のイントロへとスムーズに入っていった。
ユー君ことKYUの歌声は、もう以前のビビってた頃の弱さはなく、堂々とプロの顔になっていた。
続いて歌ったGet a chance, get a rhythmでは、KYUの周りをSeoul8が踊ってくれた。
5時間に渡るライブイベントのなかで、KYUは今日がメジャーデビューだとイクチャンが紹介してくれた。するとSEIJIさんが
『なかなか良い声してるねKYU君。
日本語分かるかな!?』
「ハイ。日本語ダイジョブデス。」
『KYU君は、聞くところによると、ヒップホップ、バラード、歌謡曲からロックまで歌えるって言ってたけど、演歌や民謡まで歌うらしいね!
俺さ、以前に韓国へ行った時に聴いた音楽で印象に残っている曲があって、何て言ったかなぁ……そうだ、ソンジュップリって曲なんだけど知ってる?』
「ハイ。知ッテイマス。」
『今歌えるかい?』
「ダイジョブデス。」
『じゃあ、聴かせてくれるかい。』
「分カリマシタ。
ナーギャンゾー シンニホイエ~!……」
『凄いねぇ!アカペラで聴いたの初めてだけど、音程も声量も言うことないよ。
いつか、俺と一緒にツアーに出ようぜ。
それから、今度KYU君に曲をプレゼントするよ。』
「本当デスカ?」