CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
久しぶりの親子の会話がメチャクチャだぜ。
とにかく、絶対この巨大パネルの写真は、早急に撤去して貰うとして
『ところでチャンス、今回はどれくらい滞在出来んの?』
「1ヶ月居ますので、よろしく頼みま~す。
スタジオ見学と、TV収録も見させて下さいね!
楽しみにしてきたんですから。」
『パパに任せ~なさ~い!』
「パパって言うな!キモい!」
『キモい?
ひでぇなぁ!
まぁ、智盛(ジソン)が暇してるから案内して貰いなさい。』
「エッ、智盛ヒョンニム(ジソン兄さん)ってソウルに帰って来てるんですか?」
『あぁ、釜山大学は卒業式まで休みだから、2月半ばくらいまではこっちで過ごすそうだ。
そして、卒業したらうちの会社に就職するんだぞ!』
「エッ、そうなんですか!
俺はてっきりイモ(叔母さん)の会社に就職するとばかり思ってましたよ。」
『アイツが化粧品の会社に入ると思うか?
それは、智盛(ジソン)の妹の孝珠(ヒョジュ)に継がせるそうだ。
その為に、去年からこっちの大学で経営学部に入って勉強中だよ。』
「そっかぁ。」
『そうだ!!
ちょうど今、ジソンが3階のスタジオで、遊んでいるから会って来なさい。
私はまだ仕事が残ってるから、やりあげてしまうよ。
昼飯は、隣に美味しいジャージャー麺のお店が在るから、智盛(ジソン)と食べに行っておいで。』
「わかりました。」
『今晩は、父さんの実家でチゲでも食べような!
チャンスが来たから、親父も喜ぶぞ。』
「ハラボジ(じいちゃん)に会うのも久しぶりだなぁ。
まだ生きてたんですね。」
『オイオイ、俺の親父を勝手に殺すなよなぁー。』
「シルリエ ハムニダ。(失礼しました)」
『それにしても、チャンス、お前のハングル語は大したもんだな。
本場の韓国人と区別がつかないくらいだよ。』
「そりゃまぁ、小さい頃からアボジの発音聞いて育ったんですから。
じゃ3階に行って来ますね。」
『あぁ、じゃあまた後でな!』
3ヶ月ぶりの親子の会話も終わり、俺は智盛ヒョンニム(ジソン兄さん)に久しぶりに会える喜びにウキウキしながらエレベーターに乗った。
…………