CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
俺は、ソナとソラの3人で白金台の実家へと向かった。
明日はソラと一緒に楽器屋さんに行く事になっているので、俺も久しぶりに実家で泊まる事にした。
今までソナが使っていたギターは、以前俺があげたフェンダーUSAのストラトだが、かなりの年代物なのでメンテナンスが大変である。だから、彼女の部屋のオブジェにすることに・・・・・
翌朝、俺たちは渋谷の岡部楽器店へと向かった。
このお店の店内には沢山のギターが所狭しと並んでいる。
アンプやエフェクター他、小物類も充実していて、必ず欲しい一点が見つかると言われているほどの品揃えをしている楽器店である。
2Fへ上がりギターを眺めていたら、優しそうな店員さんが声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。今日はどの様なギターをお探しでしょうか?」
『実は、彼女が新しいのに買い換えるので、見に来たんだけど、出来れば長時間での演奏にも疲れない、少し軽めので柔らかい音が出るのが良いんですが。』
「それで、ご予算は大体いくらくらいまで大丈夫でしょうか?」
『出来れば10万円いないで!』
「オッパ、私そんなにお金持ってきてないよ!」
『大丈夫だよ!今日は、俺からのプレゼントだから。』
「いつもいつも悪いよ!」
『心配要らないから。俺の小遣いの範囲内でソナに良いギターを買ってあげたいだけだから。』
と言う訳で、いろいろ見て回り、最終的に2本に絞り込んだ。
GibsonのExplorer FadedのWorn CherryにするかMahoganyにするか考えた末に、俺のFenderUSAの新しいギターの色に合わせてWorm Cherrykにする事になった。
買う前に取りあえず弾かせて貰うことにする。
快く了解してくれたので、アンプに差し込み、軽くツェッペリンのHeartbreakerやStairway to Heavenを弾いて感触や音色、音質などを調べていった。
とても弾きやすく、超特価で69,800円というので即買いをした。
すると、小物を一杯サービスで付けてくれたのは更に嬉しかった。
俺は、ついでにギターの弦の予備を買って精算を済ませてソナと店を後にした。
小腹が空いたので、ハンバーガーショップのドライブスルーでバーガーとドリンクを買って、それを食べながら赤羽岩淵のソナの家に向かった。