CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
なんで順子先輩がテジュン君を狙っているのよ!?

5才も年下なのに…

『順子先輩、年下が好みなんですか!?』

「別に!

顔はイケメンだし、背も高いし、学歴も申し分ないし、金持ちの息子だから。」

『それって酷く無いですか?』

「別に良いじゃん!

ステータスよ。良い男連れて歩くだけでも気分良いし!」

『私には分かりませんです。』

「だからお子ちゃまだって言うのよ。」

『その考え…わたし…着いて行けないです。』



~♪~♪~♪~♪~

17時を回って、私は更衣室に行った。

制服を脱いで、GパンとTシャツに着替えて更衣室を出た。

タイムレコーダーでタイムカードを押して外に出たら、まだ外は明るくて夏の日差しはきつかった。

ゲートを抜けて、駅へと向かおうとしたら……

そこには、大きなバイクにまたがったテジュン君が居た。

「やぁミリさん。
もう仕事終わった?」

『終わったところだけど、テジュン君はそこで何してるの?』

「君を待ってたんだよ。」

『私を!? どうして私を待ってたのよ?』

と、怪訝そうな顔をして聞き返した。

「さっきのお詫びに家まで送ってあげようかと思ってな!」

『良いよ、そんな事しなくても。』

「って言うのは口実で、ミリさんと話がしたかったんだよ。」

『もしかして、私に惚れちゃった!?』

「な…何言ってるんだよ。
だからちょっと話がしたかっただけだよ。
俺、4年前に一度君に会った事が有るんだけど、ミリさんは覚えて無いよなぁ!?」

『4年前にって、もしかしてアッパ(パパ)の告別式の事?』

「そうだよ。」

『あぁ、あの時社長さんと一緒に来ていた男の子は貴方だったのね!』

「俺、親父に君の事を昼間聞いて、さっきあの日の事を思い出したんだ。」

『何思い出したの?』

「君の腰まで合った長い黒髪を。」

『次の日にバッサリ肩までに切ったの。』

「どうして?」

『アッパが亡くなったから、生活が苦しくなるのは目に見えていたから、少しでもお金を節約出来る様にと思って切ったのよ。』

「そうだったんだ。

でもミリさんは思いっきりがいいねぇ!」

『くよくよしててもしょうがないし、前向きに生きていかないとアッパにも悪いし……』

その後、色々話をした後バイクの後ろに乗って家まで送って貰った。
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