CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=


「しかし●クドに来たことが無いなんて珍しいねぇ~!」


『パパがファストフードに行くと怒るんだもん。』


「そうなんだ。大変だよなぁー!」


『ジョージ君はいつもお店で働いているの!?』


「違うよ~ん!
おいらはT大学経済学部の一年生。

普段は、大学行ったり、スタジオでバンド仲間と練習して過ごしてるんだよ~ん!」


『ヘェ~!バンドやってるんだ。
パートは?』


「おいらはキーボード。
元々、小さい頃からピアノやってたから大学入ってすぐにバンドに誘われたんだ。

バンド仲間の一人はメジャーデビューして、今はプロの歌手やってるよ~ん!」


『凄いですね!』


「まぁ、最初からメジャーデビューが決まっていたんだけど、無理言ってボーカルやって貰ってたんだ。」


『私も知ってるかなぁ?』


「韓国の男の子でKYUって言う子なんだけど…」


『この前TVに出ていたの観たよ!

MY LOVE歌ってた。』


「おいらのバンド仲間とレコーディングしたから、CDのうらには、おいら達のバンド名もクレジットに入ってるんだよ~ん!。」


『なんて名前のバンドなの!?』


「XYZって言うんだよ~。」


『XYZ!

フィリピンでXYZって言うのは、
(Examine your zipper.)
の略で
(チャック開いてるよ。)
って意味なんだけど…』


「おいら達のバンド名の意味は、アニメ《シティハンター》ってのがあって、その中に出てくるカクテルの名前がXYZで、XYZはアルファベットの最後だから、もう後が無いって言う意味なんだって。」


『ふ~ん!そうなんですかぁ。』


「ナナちゃんはお母さんがフィリピン人なんだよね!?」


『そうなの。

大学を卒業したパパが、就職もしないで外国をブラブラ旅をしていたんだって。

タイ、マレーシア、ベトナムにインド、インドネシアとアジアを転々として、フィリピンにやって来たんだって言ってた。

ママは、フィリピンでアイドルやってたんだけど、たまたま野外でロケをしていたママを見かけたパパが一目惚れして、猛アタックしたんだって。』


「凄いねぇ~パパさん!アイドルにアタックするなんて!」


『そうなの。

ママもビックリしたって言ってた。』


「それで?」


『それから‥‥‥‥』
< 99 / 300 >

この作品をシェア

pagetop