偽り
校舎裏に連れて行かれると、一気に仁は小さな銀毛の狼になってしまった。
仁(狼)
「あれ??」
普通にしゃべるようだ。香代が
「まったくいきなり覚醒するなんって。」
仁(狼)
「違うだって!!握手した時にいきなり莫大な気を俺の体に流されて来たせいで……」
仁は恥ずかしそうに耳を垂らす。香代が
「なるほど、修行不足で気を操れ連れなかったと……」
元気なく
「……はい。」
と認めた。
「何なのあの女??気を使えるの??」
仁は鼻をさすりながら、
「ね~、これいつ戻るの??」

いきなり校舎側から、
「………驚いた??」
と、新羅が現れた。香代が
「あんた何者??授業はどうしたの??」
と、仁との間に入りギッと睨む。
新羅はフフっと笑い
「内緒だよ。授業ぐらい気で分身を作ったよ。」

「しゃべる気がないなら……」
一瞬、新羅の瞳が金色に輝き
「どうするの??」
と殺気を出し、香代の動きを止める。
香代はブルブル震え、意識がなくなってしまった。仁は
「………。」

新羅
「あなたは、気を失わないのね。」
仁は無言で睨み続ける。
「それに、その銀いや、白銀の毛皮。私はあなたを暴走させるだけの気を送ったのに」


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