偽り
仁の体を使ってしゃべっているのは、『銀毛紅眼』だった。
信長が
「やはり貴様は楽しいぞ。さ~、本能寺では横槍が入ってしまったから、楽しもうぞ!!」
と禍々しい程の気が膨大した。
銀が鼻で笑い
「俺様が手を出すのは早いみたいだぜ。信長。」

と九尾と耳をはやした新羅が
「信長の野望も分かったし、その子のことも分かったから。もういいわ。」
と新羅が最初に繋いでいた霊糸が姿を表して
「貴様の封印を元に戻してやる。」
と霊糸に力が伝わり、信長の翼は大気に還り
信長が霊糸をつかみ
「相変わらずだな。女狐。すべてシナリオ通りか??」

「ふん、なんのこと??」

「だが、この体が覚醒を迎えた時、……我は完全に蘇る。……腕を磨いとけ。」
同時に赤い羽根は大気に完全に還り、スッと目を閉じて倒れた。

新羅が
「お久しぶりね。銀。転生していたなら、挨拶ぐらいしてくれてもいいんじゃない??」

「相変わらずだな。アイツの封印を壊すのではなく、限りなく糸状にして、なくしたようにするとはな。」

「それはどうも。」

「その子はアナタに気がついてるみたいだけど…」

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