偽り
香代が指を指して
「なんで牙狼家のコイツがいるの??ここ狐爪家だよ。」
指を指した男が
「そんなことは分かっているが、今はメシが大事だ。」
現在狐爪家当主の母親が
「いいではないか。お前たちに話して起きたいこともある。」
香代が頭を抱えてご飯に手を伸ばす。母親が
「お前たちも16になった。そろそろ血の覚醒がきてもいい頃だろう。」
香代が
「血の覚醒がすめば今まで以上の力が使えるだよね。」
母親が
「まぁ~そうだが、血の覚醒には問題が二つある。一つは何がキッカケになるか分からないことだ。現に私の場合は辛い物だった。」
牙狼家のソイツはメシを食べながら
「俺の親父は、涙を流した時とか言ってたな。」
母親は
「そしてもう一つは、慣れるまでもの凄く時間がかかるのだ。血に負けて全体が狐爪家は狐、牙狼家は狼になってしまう。しばらくすれば元に戻るだろうが、一般人に見られたら大変なことになる。二人で協力して隠蔽するように。」
香代が
「はい、それでは学校に行ってきます。」
と答えると箸を置いて立ち上がった。
その隣でまだご飯をガツガツ食べている男を見て
「ほら、行くよ。仁。」
と一応声をかける。
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