偽り

先ほどの老人と当主である母親が二人で話し合いをしていた。ちなみにこの二人が先ほどの反対派の二人である。老人が
「クローンか、人には過ぎた長物じゃな。」

「ええ。人の身でありながら神の所業を……」

「奴は若いからの~。して、お上はなんと??」
とお茶を啜る。

「まだ何にも……。あの方には我々のことは暇つぶしにしかなっていないみたいですね。」

「それでよいのだ。」
と言うとまたお茶を啜る。


香代は目を覚ますとすっかり屋上でのことを忘れており、保健の先生に挨拶して帰路につく。

仁は東間に運んで貰い自宅で屋上での闘いで消費した霊気を養っていた。
夕方頃に仁が目を覚ます。東間が
「大変だったみたいだな。」

と話しかける。
「……ネコはどうした??」

「知らん。……つか、お前が気を失うまで霊気を使うなってな。どうする??今日の見回り??」

東間たちはいつも夜中この街を見回りして悪さをしている妖怪がいないか確認している。
仁が簡潔に
「あの九尾や信長の馬鹿でかい妖気に誘われてなんか来そうだから、やるぞ。」
と言う。
< 31 / 57 >

この作品をシェア

pagetop