偽り

そのままイリアが
「いや、降りて下さい。」
と東間が割り込む。

「今日、この辺りでひどい霊圧が感じて引き寄せられたのはいいんだけど……来る途中で、お腹がすいて落ちてきたんですよ。」

東間が
「なんで動けないだよ。」

仁が軽く息を吐いて
「安心しろ。この辺りで人に危害を加えなければ、お前に害を加えない。」

「俺は無視ですか??」
イリアは仁を見つめて
「……それを信じる保証は??」
仁が
「そいつを人質にとった時点で、お前に危害を与えてないだろう。腹が減ったなら、そいつの血でも飲め。」

「え!!俺??人質、なんで。」

イリアが
「分かりました。それでは頂きます。」
と、東間の首に噛みつき、東間から血を吸う。
東間は
「え!!マジで!!ヤバいって!!………うん??なんや??めっちゃ痛い??」

イリアは頬を高揚させて
「あなた、スッゴいおいしい血!!」
仁が
「なら、いい。」

下で東間が顔を青くしている。

イリアが
「ね～??この大気の乱れはなに??」

仁が
「第六魔王『天魔』が目覚めた。」

イリアはガタガタ震え始める。
「なるほどね。だから、一応眷族の私が引き寄せられたのね。」