偽り
仁が
「狐爪家から聞いていたが、お前か。」

柾木が丁寧な口調で
「はじめまして、牙狼家次期当主第一候補の牙狼仁君。」

「目的は??」

「それが仕事モードですか、怖い怖い、いつでも私を殺せるように気をはらないで下さいな。」

「目的はなんだ??」
仁の犬歯が狼のように鋭くなる。

柾木は呆れ顔で
「この日の本の支配ですよ。狐爪家の兵器にも負けない力があれば……。」

「無駄だ。この日の本を支配権が歴史上移ったことはない。」
柾木が
「この兵器を見てもかい??」

香代の姿をした者を見せる。
「コイツは遺伝子操作で、生み出した兵器の一つ、3号だ。」
3号は笑顔を向けて
「はい、パパ。『覚醒』。」
と言うと、辺りの空気が震える。
柾木が
「ハハ…すごいな。3号ですらこの力、これなら、この国いや世界すら支配できる。」
仁が
「これが覚醒か??」

3号の姿は長い髪が真っ白になり気を操り尻尾を七本現れる。柾木が
「本家と分家の一部でしかできなかった覚醒を……そしてこの力。仁君、君は覚醒はしているのかね??」

「お前、バカ。九尾がいるの忘れているだろう。」
3号が
「誰ですか??九尾って??」
と満面の笑みを浮かべる。
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