モテ男と地味子の初恋物語
プロローグ

琢磨side

「ハァ、参ったなあ…」

「どうした? 色男」

俺が教室へ戻り、机に突っ伏して溜息をつくと、親友の片山圭介が俺の肩を叩き、顔を覗き込んできた。

「そんな憂いのある顔をしてると、また女子の皆さんが騒ぐぞ。『きゃ〜、琢磨さま、どうしたんですかぁ?』ってな」

「うるせえよ」

「あらあら、ずいぶんとご機嫌斜めちゃんだな。何があった?」

「あ? 郁美と別れた」

「なに〜!? もうかよ? なんで? もしかして、フラれたのか?」

「フラれたって言うか…」

俺はついさっきした、郁美とのやり取りを圭介に話して聞かせた。
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