モテ男と地味子の初恋物語
「え? ああ、まあな。鼻は…覚えてない。変な形とかじゃないと思う。唇はちょっと赤くて、ポチャッとした感じ?」

話してたら恥ずかしくなってきて、顔がカーッと熱くなった。

「もういいだろ? 勘弁してくれよ」

「分かった。俺からちょっと質問がある。いいか?」

「ああ。いいよ」

「雨宮紬は何回かおまえに怒ったよな?」

「ああ。3回、だったかな」

「泣いたりもしたな?」

「ああ。そっちは確か2回かな」

「おまえさ、怒ったり泣いたりする女は嫌いだったよな?」

「あ…」

「雨宮紬を嫌いになったか?」

「いや、別に…」

「だよな」

「何でだろう? 何でだと思う?」

「自分で考えろ。そこ、重要だから」
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