モテ男と地味子の初恋物語
「取り敢えず半分分かったぞ」

「半分?」

「まず怒った方だけどさ…」

「おまえ、何言ってんの?」

「まあ、いいから聞いてくれよ」

「分かったよ。言ってみろよ」

「おお。1回目は突然だったから嫌とか考える暇がなかった。2回目はわざと怒らせたから論外。3回目はかわ、いや恐くなかったから」

「あのな…」

「どうだ? ちゃんと考えたぞ」

「別の答えは見つからなかったのか?」

「そんなもん、あるかよ。今のが答えさ」

「おまえにはほんと、呆れるよ。一瞬、正解に近い事を言いかけたみたいだけどな」

言いかけた? 何だっけ?

「泣いた方も考えてみるよ」

「もう、いい。無駄だ」

「おまえが考えろって言ったんだろ?」

「確かにそうだが、後で考えろ。っていうか、そのうち気付くだろ」

「何だよ、それ…」

圭介は何を言いたいのか、俺にはさっぱり分からなかった。
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