モテ男と地味子の初恋物語

「それはそうと、雨宮紬について、俺が仕入れた情報を教えてやるよ」

「仕入れた？」

「ああ。紬ちゃんと一年の時に同じクラスだった奴から聞いたんだ」

「おまえ、今”紬ちゃん”って言ったな？ 何でだよ？」

「何となくだ。悪いか？」

「別に悪くはないけどさ…」

正直に言えば、ちょっとムカッとした。なぜかは分からないが。

「何ニヤニヤしてんだよ？ 早く言えよ」

「言わない方がいいかなとも思ったが、どうせいつかは分かるんだから言う事にしたよ」

「勿体振らないで早く言えよ」

「ああ、分かった。紬ちゃんは勉強一筋の子らしい。成績はいつも学年でトップクラスだそうだ」

「ふ〜ん」

「おまえが言った通り、人付き合いは悪くて、友達はひとりもいなかったそうだ」

「今は一人いるらしいけどな」