モテ男と地味子の初恋物語
「おっと…、つい口が滑っちまった。気にすんな」

「ああ」

「いや、少しは気にしろ」

「はあ?」

また圭介は訳の分からない事を…

それにしても、紬にどう聞けばいいんだ?

『やあ。紬は俺が嫌いだったらしいけど、今はどう?』

と、こんな調子か?
軽いか?
しかし重いよりはいいよな…

紬は何て答えるんだろう?

『今も嫌いです』って言われたらどうするよ?

紬と口を聞かないようにするしかないよなあ。

ふと、公園で横に座って微笑んでいた紬の顔を思い浮かべた。

あんな穏やかな顔して、内心じゃ俺が嫌で堪らなかった、なんて事があるのかよ。なあ、紬?

俺は不覚にも、また涙が出そうになっていた。
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