モテ男と地味子の初恋物語
私は部屋に入ると、ドアにもたれて「ハァー」と溜め息をついた。

まだ心臓がドキドキしている。
桂木君って、誰にでもハグするのかな…
桂木君もドキドキしているような気がしたのは、私の勘違い?

抱きしめられた時の桂木君の胸や、自転車で思わず抱き着いてしまった時の彼の背中の感触を思い出し、顔がポーッと火照るのを感じた。


あ、いけない。急がなくっちゃ。

私は我に返り、大急ぎで着替えると、洗濯機を回し、お風呂掃除をして、夕飯の支度を始めた。

その間にも、今日の桂木君との色々な出来事を思い出し、にやけたり赤面したりしていた。


家事が一段落し、キッチンで明日の授業の予習をしていたら、カチャカチャっとドアの鍵が開けられる音がした。
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