モテ男と地味子の初恋物語
「お帰りなさい」

お母さんが仕事から帰って来た。

「ただいま…」

いつも疲れた顔で帰って来るお母さんだけど、今夜はそれだけじゃなく、険しい顔をしていた。また会社で嫌な事があったのかな…

「お母さん、毎日ご苦労さま。すぐご飯にする? それともお風呂?」

「その前に話があるから、座りなさい」

話って、何だろう。あまりいい話ではなさそうだな…

私が「うん」と言って教科書とかを仕舞い始めたら、「それは後でいいから」と言われた。

私の向かいに座ったお母さんは、険しい顔で私をジッと見据えた。

普段からあまり愛想はよくないお母さんだけど、こういう事はあまりなかった。

私は思わずゴクッと唾を飲み込んだ。
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