モテ男と地味子の初恋物語
「さっきのウェイトレスさん、桂木君を意味深な目で見てたから。桂木君とは、少なくても顔見知りなんだなと思ったの」

ドキッ

なんだ、こいつ。鋭いじゃねえか。”女圭介”か?

実はさっきのウェイトレスは小枝子といって、一言で言えば俺のセフレ、って事になると思う。

歳は確か24か25ぐらいで、俺の初めての女だ。

女優志望で、喫茶店で働きながら劇団で芝居をやってるらしい。

小枝子はたぶん俺を弟みたいに思ってて、俺が抱きたいと言えば抱かせてくれるが、言わなければ飯を奢ってくれたり話をするだけ。

俺も小枝子がもう一人の姉貴みたいに思えてきて、そう言えばここ何ヶ月も体の関係はない。

俺は米山明日香よりも紬の反応が気になったが、紬は俯き気味に、紅茶を掻き混ぜたりしていた。
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