モテ男と地味子の初恋物語
「桂木君って、猫が好きなんですってね?」

「え? ああ、まあね」

小枝子が持ってきたコーヒーに砂糖とミルクを入れ、掻き混ぜながら、俺は米山明日香に適当に相槌を打っていた。

「私も猫が大好きなんです」

「そうなんだ…」

「話が合いますね!」

「そうだね」

よくしゃべる女だなあ。
それにしても、紬は元気ないなあ。圭介が言ってた通りだ。

昨夜は元気にバイバイしてたから、その後で何かあったのかなあ。お袋さんと喧嘩したとか?

ああ、気になる。『どうした?』って聞きたいが、米山明日香がいたんじゃ聞けないよな…

何でこいつを連れて来たんだよ、紬?
< 166 / 268 >

この作品をシェア

pagetop