モテ男と地味子の初恋物語
不意に紬がスッと立ち上がった。
「用事があるので、私はこれで失礼します」
俺はすかさず、「俺も帰るよ」と言った。コーヒーにはまだ口も付けてなかったが、そんなのはどうでもいい。紬と二人で話したかった。ところが、
「桂木君は、まだいてください」
と紬に言われてしまった。
「いや、帰る」と俺が言うと、「お願いだからいてください」と、今にも泣き出しそうな顔で、紬に懇願されてしまった。
紬……?
俺が唖然としている内に、紬は足早に喫茶店を出て行ってしまった。
米山明日香は呑気に「紬、ありがとう。また明日ね」なんて言っていた。
「用事があるので、私はこれで失礼します」
俺はすかさず、「俺も帰るよ」と言った。コーヒーにはまだ口も付けてなかったが、そんなのはどうでもいい。紬と二人で話したかった。ところが、
「桂木君は、まだいてください」
と紬に言われてしまった。
「いや、帰る」と俺が言うと、「お願いだからいてください」と、今にも泣き出しそうな顔で、紬に懇願されてしまった。
紬……?
俺が唖然としている内に、紬は足早に喫茶店を出て行ってしまった。
米山明日香は呑気に「紬、ありがとう。また明日ね」なんて言っていた。