モテ男と地味子の初恋物語
テーブルの前に桂木君が来て、私はおもむろに立ち上がり、明日香も私に合わせるように立ち上がった。

「急に呼び出してごめんなさい」

私が冷静を装って言うと、桂木君は「いや、構わないけど…」と言いながら、明日香に視線を送った。

「同じクラスで友達の米山明日香さんです」

と私が明日香を紹介したら、「友達？」と聞き返された。

桂木君が、目で『この子が紬のただ一人の友達なのか？』と聞いてる気がして、私はコクリと頷いた。


「友達じゃなくて親友ですよ。はじめまして、米山明日香です」

明日香が元気よく自己紹介をすると、桂木君は「はじめまして。桂木琢磨です」と、意外に堅い挨拶を返した。

明日香はそんな事は気にしない、という感じで「知ってますよ〜」と、ますます明るい声で言った。

そんな明日香の物おじしない性格が、私はとても羨ましかった。
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