モテ男と地味子の初恋物語
うまく行ったVなのか、ダメだったけど、一晩で立ち直ったよ、のVなのか…

後者であればいい、と思ってしまう自分に気付き、私は自己嫌悪になった。

私、最低だ…


もやもやして、全く集中出来なかった1時間目の授業が終わり、明日香に話を聞きに行こうと席を立ったら、明日香が私に向かって飛んで来た。

「紬〜!」

大きな声で呼ぶものだから、周りの人の視線が、みなこっちに集まった。

「廊下で話そうか?」

「そうだね」

明日香に続いて廊下に出ると、いきなり明日香に抱きしめられた。

「紬…ありがとう!」

「え? じゃあ…」

「そうなの。付き合ってくれるって!」

私は、頭を誰かに思い切り殴られたような気がした。
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