モテ男と地味子の初恋物語
すると明日香はゆっくりと顔を上げた。
目と鼻が赤かったが、涙は止まってるようだった。

このタイミングで言うのもどうかと思ったが、言うべき事はきっちり言おうと思い、俺は口を開いた。

「あのさ、さっきの事があったから言うんじゃないけどさ、明日から昼は…」

「分かってる」

俺が言い終わらない内に明日香はそう言った。

「って言うか、分かっちゃった」

「何がだよ?」

「琢磨は、紬が好きなんだね?」

ドキッ

「前から薄々気付いてはいたけど、今日はハッキリ分かった。琢磨の態度、丸わかりだよ。図星でしょ?」

「いや、それは…」

「あれ? 違うの?」

「それは…」

「じゃあ、あたしにも見込みがあるの?」
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