モテ男と地味子の初恋物語
その時、右手に激しい痛みを感じたけど、それに構わず私は桂木君を睨みつけた。

と言っても、桂木君に比べたら30センチぐらい背が低い私が下から睨んでも、まるで迫力はないだろうけど…

大嫌いな桂木君に気安く近付かれ、体に触られた事が悔しくて、何か文句を言ってやろうと思っていたら、右手の甲が焼けるようにズキンと痛み、思わず「痛い…」と呟いた。

手の甲を見ると、赤い線状の傷が出来ていて、そこから血がひと筋流れていた。

私が手を引いた時に、子猫に爪で引っ掻かれたみたい。
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