モテ男と地味子の初恋物語
「痛え…」

今のはたぶん、柏尾先輩の右ストレートが俺の顔面にクリーンヒットしたな。

鼻を押さえたら鼻血が出ていたが、骨は折れてなさそうで、よかった。

「ごめんなさい。これを使って?」

柏尾先輩がピンクのハンカチを出してくれた。

「大丈夫です」

と俺が言うと、柏尾先輩はそのハンカチで俺の血を拭いてくれた。

「ごめんね。つい力が入っちゃって…」

「いいんです。それより、俺を許してくれますか?」

「許すわよ。本当に反省してるみたいね?」

「ありがとうございます!」

「保健室に行きましょう?」

「いえ。まだ謝りたい人がいるんで」

「え? 元カノみんなに謝るつもり?」

「はい。でも、内緒にしてくれますか?」

「分かったわ」

「じゃ、ハンカチすみません」

「がんばってね?」

「はい」


ふー、先が思いやられるなあ。体がもつだろうか…
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