モテ男と地味子の初恋物語
「あれは違うんだ。紬ちゃんが泣いて、仕方なくああなったんだ。あの子が泣いた理由は、本人に聞くといい」

「じゃあ、本当に付き合ってないのか?」

「ああ。実はそうなってもいいと俺は思ったんだが、全く見込みなしだったよ」

「おまえなあ…、俺がどんな気持ちだったか、分かるかよ?」

「分かってたよ。それが狙いだったからな」

「はあ?」

「おまえが明日香と付き合いだした時、『痛い目に合わないと…』と俺が言ったのを覚えてるか?」

「そういう事かよ…」

「ヤキモチがどんなものか、分かったろ? 結果オーライって事で、許せ。な?」

「分かったよ。というか、サンキュー」

「紬ちゃんをまたかっさらえよ。もうすぐ授業が始まっちまうぞ」

「ああ、そうするよ」

圭介はニヤっと笑い、俺の肩をポンポンと叩いた。
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