モテ男と地味子の初恋物語
女子がコクンと頷いたので、女子の細い指先を摘むように持つと、女子は俯き気味にまた頬を紅くした。

それを見たら、俺までドキドキして、顔が熱くなった。

調子狂うなあ…

気を取り直して女子の手に消毒液を掛けようとしたら、「ちょっと待って!」と女子が叫んだ。

「どうした?」

「あの…それ、沁みない?」

「え? どうかなあ」

「沁みると嫌だなあ…」

眼鏡のせいか、気が強そうに見える女子が、子供みたいに甘えた事を言うので、そのギャップに俺は何とも言えない気分になった。

不思議な子だなあ…
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