モテ男と地味子の初恋物語
今、私は学校で一番人気のある、モテモテの男子と並んで歩いている。

それがすごく現実離れしていて、もしかすると夢の中なんじゃないかと思う。

保健室で手を握られて、包帯を巻いてもらったのは、私の妄想なんじゃないか…?

でも、右手にしっかり巻かれた白い包帯が、それが妄想ではなかった事の証。

「……どうすんだよ?」

「え?」

「俺の話、聞いてなかったのか?」

「ごめんなさい…」

「猫の名前をどうする、って聞いたんだよ。俺が考えてもいいけど、センスないからな…」

「そんな事ないと思う。例えばどんな名前?」

「ん…シロ、とか?」

「白いからシロ?」

「まあな」

「シロって犬の名前じゃない?」
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